TEMPERATE

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TEMPERATEのこと02

「最高にかっこいい、完全防水ブーツをつくりたくて」

前回のJOURNALに、TEMPERATEは、バレエシューズ2型、ローファー、オックスフォードと、4タイプの靴を軸にデザインを展開しているとありましたが、もちろん新しいことにも挑戦しています。そのひとつが、新作の《JOEL》。TEMPERATEが、完全防水素材PVCで完成させた、初めてのブーツです。見た印象は、ベーシックなチェルシーブーツ。しかしそこには、イギリスで靴を学んだデザイナーの背景がうかがえる、裏付けされた専門知識と、譲れない美意識が込められた、こだわり満載の逸品なんです。


本格的なデザインに機能美をのせて

「チェルシーブーツっぽいレインシューズ」は、ほかのブランドにもあるので、特に珍しいものではありません。ですが、これまで数々の美しい英国シューズを見て、触れてきたデザイナーが、もっと都会的で、本格的なデザインがつくれないかと模索したのが、JOEL誕生のはじまりです。まずは可能な限り甲周りをスリムにし、ノーズから筒への立ち上がりのラインにもこだわった、美しいシルエットを実現。筒の太さも、サイドゴアを縫い付けるのを想定しながらも、できるだけ細く設定しました。さらに長さはブーツインにもスカートにも対応できるバランスを計算。普遍的で、長く愛用できるデザインに仕上がっています。

「JOEL」\13,200(tax in)

気づかれないところにも、こだわりのディテールが

さてここからが、TEMPERATEの真骨頂! ぜひ実際に商品をご覧になって、確認していただきたいのですが、JOELのソール部分には、ハシゴ状の凹凸があるんです。これ、実は本格メンズシューズにあるディテールで、もともとは、レザーとソールの繋ぎ目をごまかすために、専用の道具で型押しする部分。一流のメンズシューズに見られるデザインで、ブランドによって模様が違うそうですが、JOELではそれを、PVCで再現しているわけです。 さらに後ろから見ると、縦にステッチが入っていますが、これも型押しによるフェイク。サイドゴアとPVC素材の縫い合わせ部分だけには、本当にステッチがあるのですが、トータルバランスで見ると、そこだけが浮いてしまう印象に。ならばと、型押しのステッチを加えることで全体をなじませ、デザインの完成度を高めているのです。言われないと気づかない、余計と思われるディテールをあえて入れる──これがTEMPERATEの細やかさ。でもそれがあるからこそ、JOELが本格的なチェルシーブーツに近い存在になっているのです。


さらに履き心地よく、使いやすい工夫を

実用性も、申し分ありません。完全防水にするため、製法はパーツを接着するのではなく、一体成形を採用。つまりPVC部分には繋ぎ目がないので、雨水が入り込む心配がありません。サイドゴアのゴムにも、撥水加工を施しています。 さらにJOELでは新たな試みを! 中敷には、高反発で、なおかつ防臭効果のある抗菌素材を使用しているのですが(ブーツだけにうれしい!)、なんと8㎜と15㎜、2種類の厚さを標準装備。つまりサイズ調整ができるので、靴下やタイツの厚みに合わせて選べば、よりフィット感のある履き心地が叶うのです。ソール裏も、TEMPERATE史上、最もすべりにくい形に。つまり、形自体はベーシックだけど、繊細なディテールと高い機能性が備わった、自慢のPVCブーツがJOEL。これからの梅雨やゲリラ豪雨に悩まされる時期に、頼りがいのある一足となりそうです。

「JOEL」:https://www.temperate-official.com/view/item/000000000099

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